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反ポルノ運動家ゲイル・ダインズさんと交流 10月21日、ボストンに留学中の会のメンバーが、ボストンのウィーロック・カレッジの社会学教授、ゲイル・ダインズ(Gail Dines)さんとお会いして、意見と情報の交換を行ないました。ダインズさんは、『ポルノグラフィ:差別の生産と消費』(1998年)という本の共著者で、マサチューセッツ州でマッキノン=ドウォーキン型反ポルノ州法の制定運動に尽力された方です(州法は残念ながら制定されませんでした)。 反ポルノ運動を組織するために、反ポルノ・スライドショーを行なっているという紹介が上記の著書の中にあり、その運動のノウハウを知りたくて、以前からメールで連絡を取っていた方です。 以下、ダインズさんのお話しを要点します。 1、アメリカのポルノグラフィ反対運動は、現在、壊滅状態である。マサチューセッツ州の運動を支えたグループも散り散りになり、現在は、1つの反ポルノ団体も活動していない。 2、現在アメリカで出版されているポルノグラフィ関係の本は、ポルノ擁護派のものばかりで、反ポルノ派の本は、1998年の私たちの本がほぼ最後だと思う。現在の主流は「セックス・ワーク」論であり、ポルノグラフィ・売買春は「女性が選択した」というものである。 3、思想においては、いわゆる「ポスト・モダン」の理論が、運動の基礎を掘り崩す決定的な役割をはたした。 4、マサチューセッツの州法制定運動においては、法律家の不足が敗北の大きな要素だった。わざわざキャサリン・マッキノンがミシガン州から支援のために来ざるをえなかった。ポルノ擁護派(州法反対派)は、大金と優秀な弁護士を投入した。そのため、私たちは州議会を説得できなかった。 5、また、反ポルノ州法案の、いわゆる「ポルノグラフィの取引条項」が、最大の論争点となった。マッキノンとアンドレア・ドウォーキンは、「取引条項」についていかなる妥協も認めなかった。私には、「取引条項」をなくしても、反ポルノ法案には十分な存在意義があるように思われたのだが。もっとも、「取引条項」を引っ込めたからといって、州法が成立したかというと、それはわからない。 6、自分は今、「ポルノグラフィにおける黒人男性像」という研究をしている。ポルノグラフィとは、女性の問題というよりは、ほんとうは、「男性性(masculinity)」の問題である。ゲイ・ポルノは、黒人男性を極度に男性化し、アジア系男性を女性化している。これは人種差別であり、同時に、アメリカとアジア諸国の力関係を反映している。 ゲイル・ダインズさんは、イギリス生まれ・育ちで、16年前にボストンに移住して来られたそうです。「ハードかソフトかに関係なく、すべてのポルノグラフィは、女性に対する暴力だ」と言っていました。彼女の、ポルノグラフィへの確固とした対決の姿勢を感じました。 |