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 このコーナーでは、一般紙や地方紙のサイトからポルノ・売買春問題や性暴力・性差別にまつわる事件・情報を転載します。ただし、容疑者および被害者の実名や住所の一部は、著名人・公的人物やポルノ業者などを除いて、伏せています。
 
■ロシアでDV深刻化 年1万4千人が犠牲に
[共同通信](2003年8月4日)
 ロシアで、妻や同居女性に対する男性の家庭内暴力(ドメスティックバイオレンス=DV)が深刻化している。ロシア政府が2002年に国連に提出した報告によると、同国でのDVによる死者は年間約1万4000人で、アフガニスタン介入による旧ソ連軍の死者総数約1万5000人に匹敵する規模に達している。
 背景には、男性の過度の飲酒や「女性は男性に従うべきだ」との伝統的な考え方に加え、ソ連崩壊による貧富の差の拡大で「負け組」の男性がやり場のない不満を弱者の女性に向けているとの指摘もある。
 モスクワに住むライサ・エリセーエワさん(53)は1985年、警官のウラジーミル・アシコフさん(51)と再婚。当初はうまくいっていた結婚生活も、10年ほど前から夫が暴力を振るうようになり破たんした。
 ウラジーミルさんは酒に酔って帰宅すると決まってライサさんを殴打。ライサさんは指の骨や歯を折られ「意識を失うことも」。警察は「家庭内の問題」と放置し「警官の目の前で殴られたこともあったが、警官は笑っていた」という。
 「自立するにはお金がなかった」ライサさんもついに離婚を決意。ウラジーミルさんを傷害罪で告訴し、ウラジーミルさんは禁固2年の判決を受けた。執行猶予中のウラジーミルさんは今も自宅に来て暴行するというが、裁判所は収監を命じていない。
 昨年、ロシア各地の救援団体に寄せられたDV問題での相談は約9万6000件だが、「相談に来る被害者は氷山の一角」(モスクワの救援団体「ストップ・バイオレンス」のアブビキロワ代表)。モスクワ大学などの調査によると、ロシアの既婚女性の5人に1人が夫や同居男性から恒常的に暴行を受けているという。
 ロシア最高検察庁によると、97年の女性の殺人犯約3000人のうち、90%がDV被害者で、暴力を振るっていた男性が殺されたケースも多い。
 労働社会発展省は被害者救済のための国家計画や法整備を約束したが、対策は進まないまま。世論調査で市民の43%がDVを「私的な問題」とし、約3分の1が「女性の側にも原因がある」と答えるなど、市民側の意識の遅れも目立つ。
 英国では約500ある救済団体も、ロシアではわずか60。「ストップ・バイオレンス」への相談の電話が鳴りやむことは当面なさそうだ。