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■知事セクハラ不倫疑惑 辞職勧告決議案可決 無言…足早に知事室へ/青森
[毎日](2003年3月8日)
◇カメラ意識、平静装う−−不信任決議案、足元揺れる自民
週刊誌で「セクハラ不倫疑惑」を報じられた木村守男知事に対する辞職勧告決議案が県議会で可決された7日、木村知事は記者会見で辞職拒否を宣言した。強制力はないとはいえ、県民の代表である議会の勧告を意に介さない姿勢に批判の声が挙がるのは必至で、野党会派は不信任決議案を提出する考えだ。しかし、最大会派で与党の自民党は木村知事周辺による多数派工作を受け、同決議案に慎重な姿勢をみせる議員も増えて、予断を許さない状況だ。
辞職勧告決議案の採決では、議長を除く出席議員48人中、決議案に名を連ねた39人が賛成。議場から出た木村知事は、報道陣からの「辞職はしないのか」という質問にも無言で足早に知事室に向かった。
採決後、記者会見に臨んだ木村知事は、報道陣のカメラを意識しながらも平静を装い、「辞職はしません」と言い切った。「説明責任を果たしていない」という決議の文面にも「自らを律して司法の範囲内で誠意を持って努力したい」と従来通りの見解を繰り返すだけで、知事側が一方的に設定した15分間の会見を終えた。
木村知事の「辞職拒否宣言」で、次のヤマ場は野党会派が提出を決めている不信任決議案に移る。しかし、知事周辺の多数派工作もあって自民党の足元は揺れている。
木村知事が1月の知事選で3選されたことを辞職拒否の理由に挙げたことに山内和夫県議は、「3選を応援した人も辞めるべきだと言っている。県民を代表する県議の4分の3が辞任を求めたことの重みを受け止めてほしかった」と嘆いた。高橋弘一県議は不信任決議案について「野党の提出を受けて党内の意見を聞き対応を決めたい」と話したが、山内崇県議は「辞職勧告が成立する前に辞職してほしかった。辞職勧告と不信任は違うなどという理屈は成り立たない。政治家としての感覚が疑われる」と批判した。自民党県連は8日、青森市内で役員会を開き、対応を協議する。
一方、辞職勧告に反対した升田世喜男県議は「決議案可決はそれとして受け止めなければならないが、木村知事からの恩は一生忘れてはいけない」、高樋憲県議も「司法の場で行われているのを見定めて結論を出すべきだ」と持論を述べた。阿部広悦県議は報道陣の取材を無視して「態度で示した」とだけ話した。
市民団体も追及の動きを強めた。「ひろさき市民ネットワーク21」(野田千恵会長)は7日正午過ぎ、即時辞職を求める街頭署名3007人分を県議会の冨田重次郎議長に提出。県内女性議員団体「県女性議員懇談会」(会長・下田敦子県議)は、真相究明を求める木村知事あての申し入れ書を県秘書課に出した。
◇傍聴者63人−−議場
多くの県民が注視した辞職勧告決議案。議場にも63人の傍聴者が詰めかけ、採決の行方を見守った。
青森市富田の主婦(25)は「これまで満足のいく説明は全くされていない。(決議案の)可決は当然だと思う」と、知事への不信感をあらわにした。
五所川原市本町の無職の男性(70)は「こんな女性問題をおこしていたら、可決は当たり前。潔く辞めてほしい」と不快感をにじませた。
青森市桜川の主婦(65)は「子供たちの教育上、こんな知事にいてほしくない。全国の恥」と吐き捨てた。
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木村守男知事辞職勧告決議案に対する県議の賛成・反対は次の通り。(敬称略)
◆賛成者
小比類巻雅明、中谷純逸、清水悦郎、越前陽悦、平山誠敏、大見光男、長尾忠行、滝沢求、山内崇、中山安弘、成田一憲、上野正蔵、秋田柾則、丸井彪、太田定昭、山内和夫、毛内喜代秋、高橋弘一、高橋長次郎、工藤省三(以上自民党)▽田名部定男、斗賀寿一、北紀一、須藤健夫、長峰一造、芳賀富弘、清藤六郎、成田幸男、野沢剛(以上政風会)▽間山隆彦、上村武之助(以上公明党)▽三上隆雄、渡辺英彦(以上社農連)▽高橋千鶴子、三上和子(以上共産党)▽森内之保留、鹿内博、下田敦子、相馬〓一(以上無所属)
◆反対者
松森俊逸、升田世喜男、阿部広悦、高樋憲、石岡裕、田中順造、沢田啓(以上自民党)▽三村輝文、平井保光(以上無所属)
◆各会派、談話
◇なぜやめないのか−−毛内喜代秋・自民党議員総会長
どのような認識で知事が辞めないと決めたのか、私にはわからない。決議可決の意義を冷静に受け止め、知事には政治家として、もう少し考えてほしかった。不信任決議案をめぐる対応は、8日に開く党県連の役員会で話し合いたい。
◇不信任案にも賛成−−間山隆彦・公明党県議団代表
県議会が圧倒的多数で辞職勧告決議案を可決したことは、県民の大多数が「知事はお辞めになるべきだ」と言ったのに等しい。今後提出される不信任決議案にも当然、賛成する。
◇政策と同じ姿勢だ−−三上和子・共産党県議団長
議会の意思を無視する知事の姿勢は、政策と同じで強引だ。県民の怒りをどう考えているのか。辞職勧告決議案に賛成して、不信任決議案に反対する議員がいてはならない。
◇議会、県民の意思−−須藤健夫・政風会幹事長
知事が辞職しないのは非常に残念。議会の意思は県民の意思なので、本来ならば勧告案に従い、自ら辞めてほしかった。今後は出来るだけ多くの会派と組み、不信任決議案を提出したい。
◇言動に反する行動−−渡辺英彦・社民党県連幹事長
知事はこれまで「議会は県民の意志を代表する」と言ってきたのに、決議を受け入れないのは相反する行動で許せない。厳粛に受け止め、早く辞任してほしい。知事職に居座るようなら、いつ不信任案を出すか決めないといけない。
◇県民踏みにじった−−無所属の鹿内博県議
知事は常々「県民を代表する県議会」と話していたが、自ら県民の声を踏みにじった。怒りを感じる。各会派とともに、不信任決議案を18日に提出する準備を進める。
◇超党派でまとめる−−無所属の森内之保留県議
不信任決議案についての意見を超党派でまとめなくてはならないと思う。知事選で木村知事を推した人たちこそ道義的責任をもって不信任決議案に賛成すべきだ。
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◆賛成者多すぎる、「やめない」残念…街の声
◇青森市浪館、会社員、工藤明良さん(49)
知事も女性問題を詳しく調査しているだろうし、議会で口に出すとまずいこともあると思う。知事が辞職しても次に県政を任せられる人がいない。辞める必要はないのではないか。
◇弘前市小比内、主婦、木村雅代さん(40)
たかが女性問題。辞めなくていいのではないか。ただ知事の説明は不十分。もっとちゃんと説明すれば理解する県議も増えるのではないか。39人も決議に賛成するとは多過ぎると思う。
◇八戸市田面木、主婦、高砂優子さん(52)
なぜ疑惑に対して説明をしないのか、理解できない。一日も早く辞職してもらいたいと思っていたのに「辞めない」と聞き、残念だ。県議会は不信任決議案を出して、もう一度、知事に決断を迫ってほしい。
◇大畑町兎沢、会社員、中村剛さん(33)
スキャンダルが全国的に報道され、県民として大変恥ずかしく情けない。県民のことを思うなら辞職勧告を素直に受け取り、直ちに潔く辞めるべきだ。
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◇知事会見要旨
◆冒頭発言
「辞職勧告決議案が可決された事実は厳粛に受け止めているが、辞職はしない。古今東西の類似した事案を検討しても、辞職に値するものかには疑問を感じている。自ら退くことは、私に知事職を求めた県民に対し、私の一部分である私生活上の行動で、私の政治家のすべてを否定してみせることになる」
◆質疑
――議会の意見を尊重してきた知事の政治姿勢と矛盾しないか。
「矛盾というより、『自らを律して』という勧告と受け止めている。政策、行政に対する責任を果たさないといけない」
――議会軽視では。
「議員の各々の判断や意見がある。私なりに自らの立場を踏まえ、自らの心に言い聞かせながら決断した」
――決断したのは。
「議会前から熟慮してきた。正式に可決され、思いを定めた」
――県政界を混乱させたことへの責任の取り方はおわびだけか。
「自らを律しながら、県民の幸せのために、青森県発展のために全力を尽くすのが私の責任だ」